【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

「いらっしゃいませ~! あ、ツキちゃん。また買いに来てね!」

「あ、うん。またね」

 まるで友達みたいに小さく手を振られて、私はちょっとびっくりして店を出た。

 ハッ!!
 結局、吸血鬼は戻って来なかったし!

 私はちょっと悶々としたんだけど、レジで話したレイちゃんの笑顔がとっても可愛かったのを思い出したんだ。
 レイちゃん……尾瀬君のことが気になってるのかな?
 もしかして、恋してる?
 私は吸血鬼の周りの女の子は、みんな吸血鬼のことを絶対好きになっちゃうって思い込んでいたけど、そうではないらしい。

「なんだぁ、そっかぁ」

 私は、安心したからかワンピースギルティの事は忘れてアイスを食べた。

 そして私の誕生日。
 吸血鬼と話す時間は与えられなかった……。
 でも話ができても、土曜日は私の誕生日なんですよーなんて言えないでしょ。

 とりあえず、約束の支度をする。

 夜は焼肉だし、ワンピース着たら臭くなるし……と思ってトレーナーにカーゴパンツでいいかなぁ?
 でも映画館だしな……と私は大きめトレーナーに短めスカートで行くことにした。

 まぁ、こんなもんでしょ。と私は家を出た。
 映画楽しみだなぁ。

 
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