【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
 
 わけわかんないよね、私。
 ムカつく、哀しい、イヤダイヤダ、最悪……辛い。
 
 私は何も買わないで店を出て行こうとしたその時。
 
「待って! ねぇ君! ちょっと待って!」
 
 誰もいない店のなか、今まで聞いた事のない大声で吸血鬼に呼び止められた。
  
「これ、食べなよ」
 
 袋に入ったのは、ほかほかの肉まん……?
 
「え?」

「これ食べて」

「でも……お金……」

「僕がちゃんとお金払ったから、大丈夫」
 
 ほかほかの肉まんの入った袋を握らされた。
 じわっ! とあったかさが伝わってくる。

 熱いくらい、熱い。
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