【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 女の子の友達よりは、ちょっと離れて、歩く。
 
「誰かに見られたら困るよね? 俺、もっと離れる……?」

「え? うーん……。でも尾瀬君も一緒に説明してくれれば大丈夫だよ。友達だもん」

「うん、それなら良かった」

 誤解されるって怖いよね。
 一年生の冬に、みんなに誤解されて辛かった。
 でも今は、誤解されてもハッキリ言える。
 私の好きな人は……コンビニで働いている吸血鬼なんだって。
 
 映画館の席は、尾瀬君が予約してくれていてグッズもゆっくり見れた。
 パンフレットとアクキーを選ぶ。

 わー品切れなしで、全部揃ってる!

「アクリルスタンド……たっかい……無理だ」

 アクリルスタンドの見本を見て、私はため息をつく。
 アクキーはディフォルメのちびキャラ吸血鬼の絵だけど、アクリルスタンドは美麗な吸血鬼が微笑んで立っているやつ。
 でも金額を見て、私は諦めた。
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