【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 レイちゃんは、どこの高校なんだろう。
 家も近いのかなぁ。
 ちょっと、尾瀬君の事探ってみようかな。

「あのね、尾瀬君って付き合ってる子いるの?」

「え?」

 さすがにレイちゃんの話はできないから、そこは隠す。

「えっと~そんなような話を聞かれたの。尾瀬君はさ~今、好きな子とか……いるのー?」

「……今?」

「うん、今は誰が好きなのかなーって……」

 軽~く聞こえるように、聞いてみた。
 って、隣を歩いてたのに尾瀬君いない?
 立ち止まってる……。
 え……?

「……尾瀬君……?」

「いや……俺、夏祭りに月ちゃんに付き合ってって言ったよね」

「……うん、でも……」

「でも……ダメでもさ……」

 尾瀬君は哀しそうに笑った。

 苦しい空気が流れた……。 



「俺、好きな子そんなコロコロ変わらないよ」



 また、哀しそうに、笑った。

< 97 / 111 >

この作品をシェア

pagetop