どうか、この恋を終わらせてくれ


※※※


それから、彼女は長期記憶障害と診断された。


5年分の記憶をすっかり忘れてしまったようだ。


5年前は、まだ俺は違う県にいたので、日向と知り合っていなかった。


彼女が俺のことを覚えていないのは当然だ。


そして、彼女は1ヶ月後に、他県に引っ越すことになった。


おそらく、彼女の親は、記憶喪失のままこの県で暮らすと、彼女は急に知らない人に声をかけられるという経験をたくさんしなければならないなどと不便があるから、彼女が安心して暮らせるように考えたのだろう。


俺は多分、もう彼女と会うことはない。


これで、日向を忘れられる、、、


嬉しいはずだ。


なのに、なのに、、、


なんで、こんなに涙が溢れるんだろう。


※※※


ーあれから5年後ー


「世凪〜〜〜今日世凪んち行ってもいい〜〜?♡」


「うん、もちろんいいよぉー
 大歓迎♡」




「お前さえいなければ、、、お前さえ、、、!!!」


「ごめんなさい、ごめんなさい!!」




「うわ!!」


「きゃ!!!」


「ひ、日向、、、?」




ー俺たちはまた、ここで出会うんだ。ー




< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop