キスから始まる音がする。
side.Mirai
体育館裏で柳楽くんと話していたら、急に蓮樹がやってきた。
何だかものすごく慌てているような……?
「蓮樹……?」
「どうしたんだ、木宮」
柳楽くんも突然現れた蓮樹に驚いていた。
蓮樹は走ってきたのか、ちょっと息が荒い。
どうしたの、と聞く前に蓮樹に後ろから抱きしめられた。
「はっ蓮樹!?」
「……みらいはダメだ」
「え?」
「みらいは俺のだから!」
え――……
後ろから抱きしめられてるから、蓮樹の顔は見えない。
でも回された指先が微かに震えている。
チラッと見えた視線の先に、頬が赤く染まった蓮樹が見えた。
「みらいは絶対ダメだから!!」
蓮樹……。
「……木宮、何の話だ?」
「えっ」
「……あの蓮樹、柳楽くんとは何もないよ?」
「え、じゃあ何話して」
「昨日貸した漫画の中に妹のBL漫画が混ざってたらしくて、妹から色んな意味でブチギレられたから見なかったことにして欲しいって話してたんだ」
「え??」
「でもそれをわざわざ言っちゃったらまた妹さんに怒られるんじゃない?って話をしてたの」
「ああ」
「…………」