チョコより甘い恋を。
私がそう言うと、賢一さんは、首が取れそうなくらい、と何度も横に振った。

「私はもう、家族のようだと思ってる。

美冬ちゃんだけじゃなくて、美冬ちゃんの母親もだ。

美冬ちゃんの母親、美香(みか)さんだっけか。

今度、向こうさんの都合の良いときに、ご挨拶もしないとな。

それに、何年先かは分からん。

タイミングは美冬ちゃんと俺の倅に任せるが。

家族にはなってくれる、その気持ちは変わらないんだろ?

それで充分だ。

理由としては物足りないかな?

美冬ちゃん」

他人からこんなに優しい言葉を掛けられたのはいつぶりだろう。

気付くと、頬に雫が伝っていた。

「おい親父。

美冬泣かせんなよ」

「違うの。

ちゃんと、私を支えてくれる人がいるのが嬉しくて。

無理せず、頑張ろうね、賢人。

賢一さん、お忙しいのに、ありがとうございました!

お会い出来て嬉しかったです!

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