先生、それは✗✗です…!
「つ…付き合いません!それに、もう会うことはないと思いますので、名前も覚えてもらわなくて結構です…!お元気でっ、さようなら!」

「あっ…、ちょっ――」


一方的にそう言う放つと、わたしは逃げるようにして鳥羽さんの部屋から出ていった。

バクバクと鳴る胸を押さえながら。


最悪なことにスマホは充電が切れていて使えず、駅のホームの時計で時間を確認すると朝の7時前だった。


朝帰りなんてもちろん初めてのことだし、スマホはこのとおりで連絡できないし…。

あいくちゃん、…絶対心配してる。


わたしは電車に飛び乗り、はやる気持ちをなんとか押さえながら家までの道を急いだ。


――しかし。

家に帰ってびっくり。


なんと、あいくちゃんの姿がどこにもないのだ。


よくないシナリオが頭の中をよぎる。
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