腹黒王子様の溺愛が規格外。
仲直り
屋上に息を切らしながら到着した私。
そこには何気ない顔をしたお兄ちゃんが立っていた。
一応扉の辺りで蓮くんと陽菜ちゃんは待機してくれているけど……なんだか、嫌な予感だ。
「お兄ちゃん……えっと……」
「久しぶりだな」
「ひ、久しぶり……」
「桜……悪かった」
「え?」
私の方へ近寄ってくるお兄ちゃん。いつのまにかぎゅっと抱きしめられてしまった。
「今まで、酷いことしてごめん……」
とても嘘をついているような声色ではない。
「母さんと陽菜が桜をいじめて、俺が助ければ好きになってくれると思ってた。けど違かった。だから、いつのまにかひどいことしてたんだ、そうしたら助けてって言って俺に縋ってくれるような気がして……」
「そう、だったんだ……」
結局はみんな、愛情の裏返しだったってこと……?
「本当にごめん……反省する……だから、まだ桜のこと好きでいさせて欲しい」
「……え?」
まっすぐ見つめられる。
ひとまず飛び降りるような状況ではなくてよかった。
きっと、無理矢理にでも呼び出したいからこんなことしたのだろう……相変わらずお兄ちゃんは何考えてるのかわからないなぁ。
「私も好きだよ、お兄ちゃん」
「……桜」
「蓮くん!お兄ちゃんと仲直りできた——」
「好きって、何?」
「えっ、お兄ちゃんとして、家族として好きだよって意味だったんだけど」
「お兄ちゃんとしてならともかく、これから家族になるのは僕なんだからやめて」
ぎゅっと私を抱きしめて、フキフキと自分の服で身体中拭いてくる蓮くん。
「早くあのくそ兄貴の匂い落として」
「く、くそあにき……!?」
「うん、桜をいじめるヤツなんかクソだよ」
「言いすぎだよ……!!謝ってくれたんだし!」
「桜が優しすぎるだけ。ほら帰るよ」
ひょいっと私を担いで、歩き始めてしまった蓮くん。
にしても……お兄ちゃん、こんな急に謝ってきて……何かあったのかな。
蓮くんが私とお兄ちゃんの再会を簡単に許したのもなんだか怪しいし……もしかして、蓮くんがなんかした……!?
いやいや、それはさすがに考えすぎか。
そこには何気ない顔をしたお兄ちゃんが立っていた。
一応扉の辺りで蓮くんと陽菜ちゃんは待機してくれているけど……なんだか、嫌な予感だ。
「お兄ちゃん……えっと……」
「久しぶりだな」
「ひ、久しぶり……」
「桜……悪かった」
「え?」
私の方へ近寄ってくるお兄ちゃん。いつのまにかぎゅっと抱きしめられてしまった。
「今まで、酷いことしてごめん……」
とても嘘をついているような声色ではない。
「母さんと陽菜が桜をいじめて、俺が助ければ好きになってくれると思ってた。けど違かった。だから、いつのまにかひどいことしてたんだ、そうしたら助けてって言って俺に縋ってくれるような気がして……」
「そう、だったんだ……」
結局はみんな、愛情の裏返しだったってこと……?
「本当にごめん……反省する……だから、まだ桜のこと好きでいさせて欲しい」
「……え?」
まっすぐ見つめられる。
ひとまず飛び降りるような状況ではなくてよかった。
きっと、無理矢理にでも呼び出したいからこんなことしたのだろう……相変わらずお兄ちゃんは何考えてるのかわからないなぁ。
「私も好きだよ、お兄ちゃん」
「……桜」
「蓮くん!お兄ちゃんと仲直りできた——」
「好きって、何?」
「えっ、お兄ちゃんとして、家族として好きだよって意味だったんだけど」
「お兄ちゃんとしてならともかく、これから家族になるのは僕なんだからやめて」
ぎゅっと私を抱きしめて、フキフキと自分の服で身体中拭いてくる蓮くん。
「早くあのくそ兄貴の匂い落として」
「く、くそあにき……!?」
「うん、桜をいじめるヤツなんかクソだよ」
「言いすぎだよ……!!謝ってくれたんだし!」
「桜が優しすぎるだけ。ほら帰るよ」
ひょいっと私を担いで、歩き始めてしまった蓮くん。
にしても……お兄ちゃん、こんな急に謝ってきて……何かあったのかな。
蓮くんが私とお兄ちゃんの再会を簡単に許したのもなんだか怪しいし……もしかして、蓮くんがなんかした……!?
いやいや、それはさすがに考えすぎか。