腹黒王子様の溺愛が規格外。
それから客室に入り、緊張しながら紅茶を飲んだ桜。


「わっ、美味しいっ……」

「ふふっ、でしょ?私のとっても好きなブランドものなの。桜ちゃんも好きだと思ったわ!」

「そうなんですね……!!」

「……ところで桜さん」

「は、はい!」


父さんに話しかけられて再び緊張し始めた桜。

相変わらず冷たい顔してんな……親子揃ってあんな顔だ。


「蓮は……重くないですか?」

「……へっ?」

「その、うちの家系は代々重いんですよね」

「お、重いと言いますと……?」


父さん、余計なことを……。


「妻を愛しすぎて、行きすぎてしまうんですよ。しかも当主は全員女嫌いなので妻に余計に愛を注いでしまうのです……まぁ、むしろいいことだとは思ってますけどね」


母さんの肩を抱きながらにっこり微笑んだ親父。さすがにやめてくれ、見苦しい……。


「そ、そうなのですね……!私は全然大丈夫ですよ、むしろ安心できますし!」

「それはよかったです」

「ふふっ、やっぱり蓮は見る目があるわね〜!桜ちゃんみたいな素敵な人を連れてきてくれるだなんて!」


こちらにウインクしてきた母親。

フォローしてくれてるのか。



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