腹黒王子様の溺愛が規格外。
「……眠い?ぼーっとしてるけど……」

「う、うん……でも生徒会のお仕事片付けなきゃいけないんだよね?待ってるよ」

「ううん、もう仕事は終わった」

「えっ!?早っ!」

「ふふっ、でしょー?もう寝れるから、寝よう?」

「うん!」


よかった、お仕事終わってたんだ。

もしかして、私がお風呂に入っている間とかに片付けてたのかな?


「じゃあ行こうか桜」

「うん……!」


向かった先は私と蓮くんの部屋。

なんと、それぞれの部屋と2人の部屋が用意されていたのだ。


「桜、大丈夫?」


長い廊下を歩いていく。眠気も限界を迎え始め、ふらふらしてしまった。


そんな私を蓮くんはひょいっと抱き上げて、運んでくれたのだ。


「ありがとうっ、蓮くん……」

「ううん。寝てていいよ」

「で、でも……」


蓮くんがちゃんと眠れるか、心配だし……。


実は少し、プレッシャーもかかっていた。

もし、私と一緒にいても眠れなかったら……私は、蓮くんに相応しい人じゃないかもしれない、だなんて考えてしまっていた。

もちろん、蓮くんは受け入れてくれるだろうけど……私だけ、安心感をもらうだなんて申し訳ない。


だから今日、学校で寝てくれた時はそっちの意味でも少し安心した。

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