腹黒王子様の溺愛が規格外。
「はぁ……」

「どうしたのよ桜」


机にうつ伏せていると、杏奈ちゃんに声をかけられる。

こんなこと、言えないよぉ……。


「……杏奈ちゃんには言えないよ……」

「はぁ!何それ……!!もう、黙ってちゃわかんないでしょ!それに一条様と同居してるって本当なの?!」

「ほ、本当だよ……?」


話を逸らすべく、大人しく認めた。


「へぇ、やっぱり。ねぇ桜」

「なぁに?」

「言いたくないことは言わなくていいの。でも、どうしても誰かに相談したくなった時は、私を頼るのよ?」

「杏奈ちゃん……うん、わかった!」


私はきっと、家族以外のものにはとても恵まれている。

杏奈ちゃんもいるから、ここまで来れたんだと思う。


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