平凡な偽聖女ですが王太子様と結婚することになりました!
悩む日々が続いたある日、舞踏会へのお誘いが来ました。
私は欠席しようとしました。
噂のせいで、私は外出を避けるようになりました。下手に外に出ると、聖女さま、と囲まれます。舞踏会でも囲まれるのは嫌です。
しかし、両親は勝手に出席の返事をしてしまいました。親同士のつきあいもありますし、何より私の気分転換をさせたかったようです。
私はしぶしぶ出席いたしました。
久しぶりの舞踏会は華やかで、私は思いがけずときめきました。
貴族同士であるせいか、聖女さま、と囲まれることもありませんでした。
ホッとして、友人との会話を楽しみました。
友達はふと真顔になり、私にききました。
「あなたは本当に聖女ではないのですか?」
「違いますわ。噂については本当に困っておりますの」
ため息をついて伏し目がちに困っているアピールをします。こうして印象を作っておかなくてはなりません。偽聖女として検挙されたくありませんから。
「ほんっと、犯人見つけたらギッタギタにしてやる」
「ビ、ビオレッタ、口調が……」
「あら嫌ですわ、私としたことが」
ほほほ、と笑ってごまかしましたが、友人の顔がひきつっています。
なぜ私がこんな苦労をしなくてはならないのでしょうか。
誰が原因なのでしょうか。
本当に何かの力があるなら、真っ先にそいつを……。
そんなことを思っているときでした。