君の嘘から始まる本当の恋
外では本当に天峰くんが壁にもたれかかるようにして待っていて、眠そうに大きなあくびをしていた。



「…ん、やっと来た。おまえ朝弱いんだってな」


「な…っ、なんでいるの!?迎えに来てくれるなんて一言も言ってなかったのに…」


「付き合ってんだから、一緒に登校したいだろ。それにサプライズの方が驚くと思って」



にっと無邪気に笑う天峰くんにときめいてしまいそうになり、慌てて首を横に振る。


ダメだ、何かの作戦に決まっている。騙されるな杏花。



「…そっか。うん、嬉しいよ。ありがとう天峰くん」



にこっと笑顔を浮かべて天峰くんの隣に並ぶ。


とりあえず愛想を振りまいとけば、印象もよくなるだろう。



「…今日は髪下ろしてんだ?いっつも一つにしてんのに」
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