君の嘘から始まる本当の恋
いや、「まあ、うん」ってなんだよ。


心の中でそうツッコミながら苦笑いで玲央の隣を歩く。



…可愛いは言わなさそうだけど、少しくらい褒めてくれたっていいのに。





桜の木の下にはたくさんの屋台が並んでいて、あちこちから魅力的な匂いがしてきてどこから回ろうか迷ってしまう。



「何食いたい?俺買ってくるからそこの木の下で待ってろよ」


「え、いいよ、私も行く」


「二人で行ったら人が多いしはぐれるだけだろ」


「…じゃあ焼きそばとりんご飴食べたい」



頷いた玲央が人混みの中に消えていった。


言われた通り人混みから抜けた桜の木の下のベンチに腰掛け、玲央を待つ。
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