一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
「へ?」

「え?」

どうやら、車は無事だったらしい。
俺は気を取り直してヒカリに話す。

「まぁ、無事にここまで来れて良かったわな」

「うん!タクシー待ってられなかった!!」

「ははは。そうか」

「塁、一旦帰ろっか。たぶん、産まれてすぐはまだ会えないだろうし」

「そうだな」

そして、駐車場に行けば、見事に純平のベンツの隣りにスレっスレで駐車してあった。

あっぶな!!

俺は迷わず、ディフェンダーに乗ろうとする。

「やだ!!私がディフちゃん運転して帰る!!」

「ディフちゃん!?変な名前付けんなよ」

「塁はBMWで帰ってきて!!」

やだよ!!
俺も運転してぇんだよ!

それに、次こそぶつけんだろお前。

「お願い!!」

ヒカリが、キュルキュルの瞳で上目遣いしてくる。

うう、、か、かわいい。

「わ、わかった」

はぁ。かなわねぇ。
いーよ。乗れ乗れ。
好きに乗ってくれ。
ベコベコになっても、もういいよ。

「やったー!!塁ー!!大好きー!!」

ヒカリは、俺に飛びついてきた。
マヂでかわいい。

「俺の後ろ着いてこいな?」

「うん!!」
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