一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
そして、ディフちゃんを運転したいというヒカリを全力で止めて、俺の運転でドラッグストアへ向かった。
とりあえず、二本入りのやつを手に取って家に帰る。
「せーので見よ」
「ああ。ほれ、行ってこい」
ヒカリをトイレに連れて行く。
「塁!閉めてよ!」
いつまでも扉を閉めない俺にヒカリが叫ぶ。
「え?ああ」
全然見てるつもりだったわ。
落ち着かなくて、何度もトイレの前をうろうろする。
ジャー。カチャ。
ヒカリがトイレから出てくる。
裏返したまま。
2人でソファーに座って、検査薬をテーブルに置いてしばらく待つ。
「そ、そろそろ見てみる?」
「だな」
ヒカリが検査薬を手に取る。
「せーの!」
ヒカリが声をかける。
「ね?」
なんだよ、いかねーのかよ。
漫才みたいに、ズコっとなった。