一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
すると、産まれたてホヤホヤのおっきな赤ちゃんが身体を綺麗に拭かれてやってきた。
私は抱きしめる。
「かわいい。あはは。やっぱりおもっ。ホカホカだよ塁」
「ああ。本当だ。あったかい。かわいいな。デカいけど。猿だなやっぱり」
塁は、赤ちゃんを撫でながらそんな事を言う。
「ちょっと塁!!」
助産師さん達も、笑ってる。
確かに、かなり猿っぽい。
デカいけど、ひょろっとしてる。
最近こういう赤ちゃんばかり見てたから、なんとなく既視感。
「ははは。ヒカリ。最高な気分だ。」
でも、本当に塁、嬉しそう。
私はそんな塁を見て、嬉しくてまた泣いた。
名前は"藤崎 絃(ふじさきいと)"
男の子でも女の子でも名前は決めていた。
私達を結ぶ愛の結晶。
昔から私たちは見えない糸で繋がっていた。