一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
月明かりに照らされて、塁さんの顔が見える。

寝てる、、、。

綺麗な顔。

陶器みたいな肌。
めっちゃ小顔だし。
鼻とかこれ本物だよね?ってくらい整ってる。
最高のバランスで顔のパーツがまとまってるよね。



こないだのスーツの時は、オールバックだった。

今は、髪も下ろしていてセンターで分けてあって、こないだよりは少し幼く見える。


それでも昔とは、やっぱり全然違う。

少しドキドキしながら声をかける。

「塁さん、、、起きて、、、
風邪ひいちゃうよ?」

起きないな。

んー?でも、今はもう寒いし。

「塁さーん!!起きてー!!」

塁さんの、肩を揺さぶる。

するとガシっと手を握られた。

塁さんと目が合う。
塁さんが驚いてる。

瞳が揺れてる?

「ああ。悪い。寝てたな。歯ブラシわかったか?」

そう言って、握った手を離したと思えば、普通に話し始めた。

「あ。うん。勝手に使わせてもらいました」

「ああ。好きに使え。
んじゃ、俺寝るわ。おやすみ」

「ありがとうございます。おやすみなさい」

塁さんは立ち上がり、フッと口角を僅かに上げると、また頭をポンとしてリビングから出て行った。
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