一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
そしてこないだ穂乃果に言われたアレだ。

かなり応えた。

もう、もはや無意識だったから。
ヒカリを思い描いて抱く事が。


俺にとって、女を抱く行為は、完全にヒカリを抱きたくてしていた事だった。

身代わりとして。

むしろ、当たり前にそんな事をしていた自分に驚いた。

誤魔化せなくなってきてる。

しかも、最後に穂乃果を抱いた時は、ヒカリを春に見た記憶が鮮明に残っていた。

だから、バレたんだ。

いつもは、記憶の中のヒカリを勝手に大人に成長させていたから。




そして、今。
ヒカリと同じ東京で暮らし、いつでも会える距離にいる。

しかも今日は、この家にヒカリがいる。

ヤバいな。
俺。
とりあえず風呂に入るか。


冷たいシャワーを頭から浴びる。

さみー。

絶対変な気起こすなよと自分に言い聞かせる。

俺が手を出していい相手じゃない。
こんな汚い俺が。


よし。大丈夫だ。
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