一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
「よッ」

「おう。いらっしゃい」

仁はそう言って、ドリンクを作り出す。

コト

「さんきゅ」

「お前、麗ちゃんにバレてないな?」
サプライズの挙式の事だな。

「ああ。大丈夫だ。出張だと思ってる」

「クククク。驚くだろうな?」

「ああ。泣くだろな。泣き虫だから」

「お前、誰かいないのかよ」

「おれ?いねーよ」
言えねぇよ。

「ふーん」

「お前さ、遊んでる女もいないの?」

「ああ。前はいたけど、今はそういう相手もいないな」

仁は驚いた顔をした。

「なんだよ」

「いや。お前も男だったんだなと思って。真面目だから」

まぁ、俺あんまり自分の話ししないしな。

「別に、真面目じゃないだろ。なんだよそれ」

「麗ちゃんと一緒に住んでたんじゃ、家に呼べないだろ」

「まぁな。そもそも麗がいなくても家に呼ばねぇな」
< 67 / 277 >

この作品をシェア

pagetop