ウソトホント
おまけ
「エイプリルフール…じゃないよね?さすがに」
教室へ戻る途中、恐る恐るそう聞くと、
「違う」
なんともぶっきらぼうな返事が返ってきた。
何か考え事だろうか。
「柏木くん、どうしたの?」
私が表情を伺うように顔を覗き込むと、「…聞く?」と言った柏木くん。
「う、うん」
廊下で立ち止まった私と柏木くん。
「どうしようかなって」
「うん?」
「泉いい匂いするし、何か今日…誰も近付けたくない」
「えっ」
「以上」
な、なにそれ。
さっさとまた歩き出した柏木くんの後ろ姿を見て、これもエイプリルフールじゃありませんように…と心の中で祈った。
end