神祇地祇~穢れ、祓います!~
第二章 勝利だけど大失敗
「伶龍、なにやってんの!」
なにかおやつがないかと台所へ来たら、伶龍がいた。
それはいい。
私だって物色しに来たんだし。
問題はその口に咥えられ、さらに腕にまで抱えられているまんじゅうだ。
あれはそろそろやってくる、政府の高官たち用に準備していたもののはずだ。
「ヤベッ、見つかった!」
しかし伶龍は私に見つかったとわかるやいなや、猿のように飛んで逃げていった。
「ちょっ、待ちなさい……!」
追いかけて台所を出たが、もうその辺りに彼はいない。
「くっそー!」
地団駄を踏んだところで仕方ない。
伶龍が台所で食料を食い荒らしたのはもう、一度や二度ではない。
来客用のお菓子はもちろん、準備のできていたおかずをやられたこともある。
「刀に食欲はないはずなのに……」
はぁーっと私の口からため息が落ちていく。
刀は食事が必要ない、嗜好品程度に口にするだけだと聞いていた。
実際、春光も威宗もそれくらいしか食べない。
しかし伶龍は欠食児童のごとく、いつも食べ物を漁っていた。
「とりあえず威宗に言って新しいのを買ってこないとね……」
また私の口からため息が落ちていく。
なにかおやつがないかと台所へ来たら、伶龍がいた。
それはいい。
私だって物色しに来たんだし。
問題はその口に咥えられ、さらに腕にまで抱えられているまんじゅうだ。
あれはそろそろやってくる、政府の高官たち用に準備していたもののはずだ。
「ヤベッ、見つかった!」
しかし伶龍は私に見つかったとわかるやいなや、猿のように飛んで逃げていった。
「ちょっ、待ちなさい……!」
追いかけて台所を出たが、もうその辺りに彼はいない。
「くっそー!」
地団駄を踏んだところで仕方ない。
伶龍が台所で食料を食い荒らしたのはもう、一度や二度ではない。
来客用のお菓子はもちろん、準備のできていたおかずをやられたこともある。
「刀に食欲はないはずなのに……」
はぁーっと私の口からため息が落ちていく。
刀は食事が必要ない、嗜好品程度に口にするだけだと聞いていた。
実際、春光も威宗もそれくらいしか食べない。
しかし伶龍は欠食児童のごとく、いつも食べ物を漁っていた。
「とりあえず威宗に言って新しいのを買ってこないとね……」
また私の口からため息が落ちていく。