陽気なドクターは執着を拗らせている。


 どうすれば良いのか分からないでいると、綿谷先生は私の目を見ながらお酒を飲みほした。


「自分がされたことはしない方がいいよ、宇野女ちゃん」

「……分かってます」

「分かってないでしょ。『部長と別れます』って言わなかったじゃん。自分のやってることの重要性、分かってないでしょ」

「分かってますって」


 綿谷先生からしつこく忠告をされ、『うざったい』という負の気持ちでいっぱいになってしまった。


 綿谷先生に八つ当たりなんてしたくないのに。ちゃんと自分で結論を出さないといけないと分かっているのに。こういう風に忠告してくれている今でも「やっぱり部長が好きだから」という気持ちが心にある。


「じゃあ今すぐ部長に『大事な人ができたので関係終わりにしましょう』って送って?」


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