素直になれなくて

何度も重ねる嘘

ピーンポーン。


私が大地の家についてインターホンを押すと、


『はい』

誰かが返事した。


大地かな?それか、大地にはお兄さんがいるって言ってたし、お兄さんかな?


もしかしたら大地のお父さんかも?!


「あ、あの、私、島田優希です。大地くんいますか?」


「ああ、優希さん。大地?ちょっと待ってて」


「優希さん」って言ったから、大地本人じゃなさそう。お兄さんか、お父さんが返事したのかな。


ソワソワしてると、ガチャリとドアが開いた。


出てきたのは………。


「大地!」


「……なんだよ、勝手に逃げてきておいてヒョッコリと。都合よすぎだろ」


……なんだか、大地の反応が冷たい。


もしかして、怒ってる?


当たり前だよね、何も言わずに逃げたんだもん。


怒るのも当たり前だよ。


「ごめんなさい」


私はしゅんと俯く。


大地はオロオロするーーーーかと思いきや、突然ニヤァと笑って、


「お前、その『ごめんなさい』っつうのも嘘なんだろ?ハハハハハ!」


と言ってきた。


大地、ひどいよ……!


大地のバカ…!


「嘘じゃないのに…」


「〜〜〜〜っ!ごめん」


大地は謝った。


大地の反応的に、これは絶対反省してる。


ここで素直に「いいよ」って言えたら良かったんだけどーーーー。
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