素直になれなくて
当日 ~第一の作戦実行~
遅刻魔ダイチ
そして当日。
約束では、若葉公園に十時に噴水の前に行くことになってる。
私はいつもよりちょっとおしゃれした服装で噴水の前に立っていた。
今の時間をかくにんすると、今は九時五十五分。
でも、どうせ十時ちょうどに来ないだろうと思う。
理由は、大地はいつも遅刻してくるから。
学校も、遊びも関係なしで。
おかげであだ名は[遅刻魔ダイチ]になっていた。
それにしても……
「遅いよぉ……。早く会いたいなぁ……」
顔をスマホに当てながら呟いたら、足音が聞こえてきた。
「ーーーーい」
「……だい、ち?」
まさかね。大地は[遅刻魔ダイチ]よ?
時間通りに来るはずなんてあるはずーーーー。
「おーい!ゆーうーきー!!」
「大地……」
ホントに大地だ。
しかも、時間通りに来た。
何で……?どうしてなの……?
「大地」
私が尋ねると、
「何?」
大地はきょとんと首を傾げた。
ドッドッドッ。
高鳴る心臓を抑えながら、
「どうして、今日、早く来てくれたの?」
と聞いてみた。
大地は、顔を赤くして……って、照れてんの…⁈
もしや本当に私のことが……⁈
「お前が、好きだから」
なーーーーにぃーーーーっ!!!!
こ・く・は・く!マジ?!
「告白って……ホントなのぉ?」
ソワソワしながら聞く私なんて聞こえてないかのように、大地は俯いてる。
あー、照れてる照れてる!
私はニヤニヤしながら大地を見てると、大地がゆっくりと顔をあげた。
その顔は真っ赤に照れ……て……………………
………ないっっ?!?!
「嘘だよバーーーカ!今日はエイプリルフールだよーん!俺でもそんくらい知ってるわバーカ!」
………やられた。