あの頃、キミが全てだった。
「無理だよ、友達だもん」
困ったように、でも、ちゃんと伝えてくれる皐月に、
「友達なんてやめる………」
そう言ってしまった私は、
皐月の顔を見ようともせず、無我夢中で雨の中を走っていく。
溢れるほどの涙は、雨と混じって流れていく。
なんであんなことを言ってしまったんだろう。
後悔しても、遅いのに………
この時の私は、本当にどうにかしてたと思う。
今でも、鮮明に覚えている。
あの日、あれから、意地っ張りな私は、
謝れなかった。
それなのに、皐月は、毎日謝ってくれて、
次の日には、無事に付き合えることになった美羽と海人くんにも、素直に祝福できず、、
独りよがりで過ごしていたある日、見かねた美羽に呼び出されて、きちんと2人で話し合うことになった。