あの頃、キミが全てだった。



「雫ちゃん私、何かしちゃったかな?ごめんね、ちゃんと教えてほしい…」



目に涙を浮かべながらも一生懸命思いを伝えてくれる美羽に、



「………告白をするって決めたあの日、美羽は、どうして皐月と一緒だったの…?」



おそるおそる聞く私に、


一瞬考える美羽は、すぐに、はっ!となって



「それは、雫ちゃんが蓮見くんを叱ってくれたんでしょ?」


思ってもない言葉が出てきて、へ?ってなってしまう私に、



「蓮見くんが謝りに来てくれたの」


「どうして門の方へ?」



「それはね…やっぱり勇気が出なくて、帰ろうと門の方へ歩いてると、蓮見くんが謝りに来てくれて、それで、迷っていた私に背中を押してくれたの…もしかして、勘違いさせてしまってたかな?本当にごめんね、雫ちゃん!全部私が悪いの!!」


そう言って、頭を下げてくれる美羽に、


私が全て悪いんだと感じて、



私が、変にヤキモチなんて妬いてなければ…


しっかり皐月の話を聞いてれば…


独りよがりにならずにもっと早くみんなと話していれば………
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