あの頃、キミが全てだった。
そんな思いとは、違って、
「“どうして好きなのに気づかないふりをするの?“」
そう言われて、ギクリとした。
海人でさえも、俺の気持ちを何も分かってないはず。
だから、バレては居ないと思っていたのに………
美羽ちゃんには、見え見えだったのか?
「そのことって雫には、………」
「言えないよ…2人のことだからそっと見守っておくね」
そう言って去っていく美羽ちゃん。
人のこと励ましておいて、一本やられたな。
雫は、俺の気持ち分かってるのか………?!
いやいや、あの美羽ちゃんの様子じゃ分かってはなさそうだな。
そう言えば、雫は、どこにいるんだろう?
そう思って、靴箱を見ると、雫が悲しそうな顔をして立っていた。