あの頃、キミが全てだった。
「あ、俺?単純に1人になりたかったからかな」
そう淡々と言う皐月に、
「あ、なら私帰るよ…」
そう言って立ち上がる。
「なんだよ、それ、せっかく来たんだったら、もう少しゆっくりしなよ、ほれ、上見上げてみ!」
言われるがまま空を見上げれば、
「うわぁ!!すっごく綺麗〜!!」
空、一面星が散りばめられていて、今まで見たことないくらい輝いている星がいっぱいあって、、
その美しさに見惚れていると、
「雫はさ、好きな人いる?」
そう聞かれた瞬間心臓の奥が止まった気がした。
どうしてそんなこと聞いてくるの?
………期待してもいいの?
そう思いながらも、
「うん、いるよ」
本当のことを伝える。
私の隣にいる人。
距離が近くても心は遠い。
あの星のように、目には見えるのに簡単に掴めない感じで……
想いを伝えたいのに………
どうしてこうも伝えられないんだろう。