あの頃、キミが全てだった。



「先輩その……「雫ちゃん、俺結構本気だから…また会いにくるね」


言うだけ言って去っていく。



好きな人からの言葉だと、今の言葉はすっごい嬉しいはずなのに………そう言われても心に響かなくて、


皐月を見ると、

海人くんとじゃれていて、楽しそうで、


皐月の気持ちがいまだに見えない。


でも、私の気持ちは、皐月だけだから………



皐月以外何もいらないくらい、私は皐月に溺れてるの…


だから。行かなきゃ。



私は、走って先輩を追いかけようとすると、


「おい、行くなよ」


どこからともなく皐月がやって来て、私の腕を掴むけど、


「ごめんなさい」


私は、その手を強引に離して、走って先輩の元へといく。
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