あの頃、キミが全てだった。
***
「えー、スポーツ大会を開催します!!男女分かれてのトーナメント戦になります!自分がしたい種目を黒板に来て書いてください!」
柔らかな温かい風が吹くこの季節に、
3年生の恒例行事、スポーツ大会がある!
私は俄然やる気満々で、それに、
「今日こそは絶対告白するんだから……」
そう小さな声で意気込む。
「雫ちゃん!何に出るの?」
美羽が駆け寄ってきてそう言えば、
「私は…そうだなぁ、バレーにしようかな!」
「私も足手纏いになるけど、一緒にしてもいい?」
そう困ったように言う美羽に、
「もちろん!良いに決まってるよ〜!」
「ありがとう!雫ちゃん!!私頑張るからね!」
そう嬉しそうに言う美羽が可愛くって、
ギュッ。思わず抱き付かずにはいられなかった。