あの頃、キミが全てだった。
「そうなんだ、俺は今から海人と遊ぶんだけど、海人が先に行っててって言うから目的地まで行ってたんだけど、ラッキー」
いつになく嬉しそうに話す皐月は、なぜだか同じ方向に向いて私の横を歩いてくれる。
心なしか、色んな人に注目を浴びてる気がする………
って皐月がカッコ良すぎるからだよ…
そう思いながらも、私、今、皐月の隣歩いてる………
周りの人にはカップルに見えてるのかな?
なんてポジティブに考えてしまう。
でも、本当のカップルなら、、
今にも触れ合いそうな手を見つめる。
もし、そうだったら、迷わずに手を自分から繋げるのに……
そう思ってしまう。
皐月の言いたかったこと、なに一つ聞けてないの………
聞きたいこと伝えたいこと山ほどあるのに………
それでも、今だけはどうか目を逸さないで……