あの頃、キミが全てだった。




花火の時も、口パクで、  “好き“ を伝えても


  “バカ“だと間違えられて…


でも、それで救われた。



この思い出は一生忘れたくなくて真剣に空を見上げてた。





文化祭の時、告白されても、雫しか見えなかった。




だから、丁寧に断って、雫を探して会いに行けば、ナンパされてるし、雫と喧嘩みたいになってしまったけれど、すぐに仲直りできてパンケーキを頬張りながら隣で笑ってる雫が、あまりにも愛おしくて………





クローバーの意味も本当は知っていたのに、分からないふりをした。



でも、これをきっかけに両思いだと分かった日。




それが、嬉しくて、嬉しくて舞い上がって、もっと毎日が楽しかった。




修学旅行で、二人で見た夜空を今でも思い出す。



綺麗に輝く星と雫の横顔が、とっても美しくて、大好きで…
そっと流れ星に、雫とずっと両思いでいられますようにって、そばにいたいって、お願いした。




先輩からのラブアタックは気に入らなかった。



真っ直ぐに素直にちゃんと好きって伝えられる先輩が羨ましくて、バカみたいに先輩に嫉妬して、、もしかして先輩と…って考えれば考えるほど、自分の気持ちを抑えられず冷たくしてしまったあの日。でも、外へ出て冷静になれば自分勝手だったなと反省したあの日。




体育大会で全ての想いを伝えたくなった俺は、勇気を出して頑張って優勝を目指した。



頑張った結果、見事優勝できて、ちゃんと気持ちを届けようとしたけれど、雫が倒れてしまった。



誰にも触れさせたくなくて、1番に駆け寄って雫をお姫様抱っこして保健室へ向かう。




こんな時に、お姫様抱っこできて触れられてるの幸せ!って思うし、たまらなく可愛いって思ってしまう俺は重症だと思う。その想いは抑えきれずに………




眠っている雫に、


「雫……お前のことが誰よりも大好き……すげぇ愛してる…」


そう呟いた。



家に行った時、弱ってる雫を見て理性を忘れそうになった。


キスしたい。気付けば雫のそばまで行っていて、


あと少しの距離でなんとか保った。




「可愛すぎだろ///、いい加減気づけよ…」





俺は、本当に弱虫だ。




引っ越しをするからって、俺の気持ちをグッと言わないように心で何度も抑さえていた。




それなのに、、、



やっぱり大好きな人を目の前にすると抑えきれなくて、




想いは簡単に溢れてきて、止められなくて……



冗談言わないでってよく言われてたけど、、


   からかったことなんて一度もねぇのに………。
< 171 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop