あの頃、キミが全てだった。



「あいつ彼氏がいて、幸せそうだよ」


俺の顔色を伺うように見てくる海人に、


「そっかー、それなら良かった」



思ってもない言葉が出てきては、ショックを隠しきれない俺を見た海人は、机の上にある、ナフキンをとってペンを走らせて、




「ほい、荻野の住所、本当はダメだと思うけど、特別だぞ!」


そう言って渡してくれる。


「サンキュ」


「来年くらいかな?同窓会もするって聞いたから会えるよ荻野に!呑もうぜ!



そう言って、乾杯!!グラスを合わせて、この日は海人と久しぶりに語り明かした。
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