あの頃、キミが全てだった。
「こうなったら、最後の手段だ!」
そう海人くんの大きな声が聞こえて、驚いた私は、声のした方を向くと、
「松浦ー!頼む、一生のお願い!この俺に勉強を!」
泣きつくように、美羽に寄ってきた海人くんを
「あ、こら!」
私はそう言って、肩を掴んで引き離す。
「ごめんね、檜山くん実は私もね…」
そう、もじもじしている美羽をキョトンと見つめた海人くんに私は、
「美羽も勉強苦手なの!」
そう一言つげると、
一瞬固まった海人くんは、
「えええええええ!」
そう大きな声で叫んだ。