あの頃、キミが全てだった。


「あのー、お二人さん?さっきから俺らのこと忘れてない?」


そう海人くんが、お調子っぽく言って、


「なんかお前らお似合いじゃん!!」


ヒューヒューなんて言って盛り上がっている隣で、


「檜山くんダメだよ、そう言うこと言っちゃ!」


困ったように止めに入る美羽は、私にこっそりと、


「雫ちゃん乙女!!好きなんでしょ?蓮見くんのこと」


そう呟いて、顔を見合わせると、可愛いウィンクをして来た。


いつもなら抱きつくところなんだけど、



キュッ。私が美羽のことを見て恋をしていると分かったように、
美羽も私のことをそう思っていると言うことは……



私も表情に出てるのーー?!!



え?いつから?美羽のことだからそういうことについては鈍感な方がと思ってたのに……
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