あの頃、キミが全てだった。

「ねえ、皐月」


そう後ろをふいに向いてくる雫にびっくりしながら、



「なにー？」


いつものように振る舞うと、


「美羽と海人くん隣の席だね」




そう言われて、前を見ると､海人がニヤニヤしながら美羽ちゃんと話していた。



あいつ最悪だーとか言いながら超嬉しそうじゃん。


結果的に良かったじゃん。


そう思いながらも、


「お馬鹿さん同士1番前だと頭良くなるかもよ？」

そう冗談を言えば、



「はは、仲良くなるの間違いでしょ？海人くんが美羽にデレデレだもん！」



そう笑いながら楽しそうに話す雫は、それだけを言うと


前を向いてしまった。