あの頃、キミが全てだった。
「ごめんね…」
そう小さく呟いた。
「謝るな、悪いのは、俺だから、ちゃんとはぐれる前に守れなかった俺のせいだから。さぁ、みんなも待ってるし戻ろう!」
その優しさに手を繋いで引っ張って一歩前を歩く皐月の背中を見ながら、涙が溢れ出す。
ごめんなさい。来てくれてありがとう。そう言いたいのに、言葉が出なくて代わりにまた涙が次々と溢れてくる。
涙が止まった時に、後ろを向いた皐月は、
「そう言えば美羽ちゃん何度も電話してたけど、携帯確認した?」
そう聞かれて、携帯の存在を今知ってしまった私は、
「わ、忘れてた、携帯があること…」
そう言うと、
「ふ、ははは、やっぱおもしれぇな、おっちょこいなのもいい加減にしろよな、はは。もうこんなことがないように連絡交換しよう!」
うええ!!!
…皐月の連絡先が知れるってこと?!
何この嬉しい展開は?!!!!!!!!
そんなのもちろん
「うん、しよう!」
OKに決まってます!