あの頃、キミが全てだった。
チラリとテント席を見れば、
皐月と海人くん達が前に出て応援をしていた。
好きな人は、こんなにも輝いて見えるんだ。本当に好きだと確信する。
好きな人の前でかっこよくいたいから!!見ててね!皐月!
そう思いながらも前の人たちみんな借り物で戸惑っている。
私は、なにがあたるんだろう。
ワクワクとドキドキが混じる中、ついに順番が来た。
「位置について、よーい、ドンッ」
飛んだり跳ねたりしながら紙のところについて、紙をめくると、
“好きな人“
そう書かれていた。
どうしよう。
皐月の元へ行きたいけど、バレちゃう……よね?
でも、あたりを見渡しても誰もいなくて……
もう、行くしかないと腹をくくって皐月の元へと急いだ。