あの頃、キミが全てだった。



「なによ、驚かさないでよ」


心に手を当て落ち着かせるように言えば、



「なら、どうしたら驚かない?」


まさかの真剣に質問をしてくる皐月の表情に、

耐えきれなくなった私は、



「いや、ごめん、あたしがボケッとしすぎてただけだから、いつも通りで良いからね」


そう言えば、



「相変わらずだな、何かあったらいつでも頼れよ」


ポンポンッ。


そう言って、さりげなく頭に触れてくれる皐月に、



胸がギュンッとなって、照れていることが誰にもバレないように周りを見渡した。
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