先輩、俺と別れてください。
「もー!陽向笑いすぎ!!からかったってことはほんとに別れるわけじゃないんだよね?」
言いながら不安になってきた。
えっ?違うよね!?
「当たり前ですよ。つーか、俺だって先輩のこと、」
大好きなんですからね。
耳もとでそう囁かれる。
「さっきの答えですよ。」
ふわりと笑う。
うぅ、突然の好きは心臓に悪い。
「それ...!聞いてないし...!」
「先輩だって突然言ってきたじゃないですか。俺だけじゃないですよ。」
言われてみれば、わたし言ってた。
次から気をつけよう。
うんうんと頷きながらちらりと時計に目をやる。
!?!?
「時間やばい!もう最終下校時刻なっちゃう!」
慌てるわたしとは対に「あぁもうそんな時間ですか。」とのんきな陽向。
「陽向!することないなら日誌手伝ってよ〜!終わらないと帰れないもん!」
「何で俺が。はぁ...仕方ないですね。どこまで書けたんですか。」
それからわたし達は高速で日誌を書き終えて(担任の先生に「こんな時間までかかったのか?」って呆れられたけど)、一緒に下校したのでした。