アブナイ三角関係


「霜崎くんは一人で来てたの?」

「んーいや、女の子と来てたんだけど…」



「待ち合わせに遅れた上にデート中上の空だったから怒られたー」

なっ!?

「何をやってらっしゃるのあなた!」

女の子待たせるなんてっ!


「いや、だって知り合いがナンパに絡まれてたら流石に放っておくのは罪悪感あるだろ?」


ナンパってまさか…


「…私を助けたから遅れたの?」

「まあそんなとこ」

えっなっ
それは…なんか

「も、申し訳ない」

「別に佐倉さんは悪くないでしょ」

でも…



「それにそのあとぼさっとしてたのは俺だし」

あ、そうじゃん。

「なんで上の空だったの?」

女の子慣れしてる割に珍しい。


「…んー俺だって健全な男子高校生だからさ」

健全…なの?

「可愛い女の子には目がないわけよ」

ん?
まさか


「別の女の子に惚け抜かしたの?」

デート中に!?
違う女の子口説いたりしたの!?


「いや、流石に口説いてはないよ。ただまあ…めちゃくちゃ可愛い人と会っちゃったからさあ…その人のことずっと考えてたらフラれた」

そ、それで上の空?
何そのバカみたいな理由ー!



「何やってんの!女の子かわいそうだよ」

「…佐倉さんのせいだよー」

え?


ボソリと何かを言った霜崎くん。

「何って?」

「…なんでもない」

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