アブナイ三角関係



呼び込みに出る時間をわざと秋斗くんとずらすため
秋斗くんが女の子に服の直しをされている間にこっそりと教室を出た。


はぁ…

なんか避けてるみたいで嫌だな。
いや避けてるんだけど。


私の脳みそで処理できる量を遥かにオーバーした情報と感情に脳内が沸騰している。

ヘルスミー
ヘルスミー




「あー!めっちゃ可愛い虎!」

へい?


クラスの看板を持って呆然としていたらそんな声がかかった。

見ると三年生の先輩3人組がこちらに手を振っている。


あ、仕事仕事。


「2年1組でーす!ぜひいらしてくださーい」

「あ、待って君見たことある!」


え?

1人の先輩が私の顔を覗き込んだ。


「球技大会の時、決勝の審判してた子だよね」

…え?


あ!
バスケの決勝戦の!

私が飛んできたボールを避けて転けた時、謝ってきた先輩だ!



「いやーその節はごめんよ。お詫びに売り上げに貢献しに行くわ」

やった!
お客さんゲット!


「君はいつならいる?」

え、あー
確か私はずっと呼び込みだった気がする。

「私は残念ながら中のシフトはありません」

「えー!そんなー!」


「でも可愛い子いっぱいいますから!」

ぜひのぜひ!

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