アブナイ三角関係


「そういえば佐倉休憩何時?」

え?


秋斗くんが不意にそんな質問をしてきたのはお客さんのピークも過ぎて、人が少なくなった昼前。

私が持っていたはずのウェルカム看板はいつのまにか秋斗くんが持っていた。


あー…



『もし少しでも俺のことを考えてくれるっていうなら、今日14時に迎えに行くから…俺と一緒に文化祭まわろ』



……。


「…14時…かな」


考えてみることは…しようと思う。
逃げてたって何もわからないから…ね。



「あれ?高坂と時間違うってこと?」

芽依ちゃん?

「てっきり一緒の時間だと思ってたけど、2人で回らなくてよかったの?」


「あー…ちょっと私が別の人に誘われまして…」

芽依ちゃんは部活の子と回るらしい。


「別の人?千夏とか?」

「いやいやー千夏ちゃんは彼氏さんとでしょ!」



霜崎くんだけど…

これって言わない方がいいかな。
秋斗くんと冬紀くん何故かすごい仲悪いし。


「もしかして霜崎?」




言ってないのに?
今今言わない選択をしたところなのに?

えっと…


「まじか…」

私の無言を肯定と判断したようです。



「あいつはなんなの?佐倉のことが好きなの?」


…そ、そのようです。

盛大なため息をついて少しめんどくさそうな顔をした秋斗くん。



「…思ったより厄介だな」



「何が?」

「…こっちの話」

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