アブナイ三角関係
「そーんな怖い顔してるのにまだ好きじゃないって言い張るつもり?」
…は?
不意に廊下の窓から俺の顔を覗き込んできたのは
「千夏?」
「はーい秋斗!遊びに来たよーん」
千夏がジャージを着て意味深に微笑んでいる。
「イライラしてるんでしょ」
…は?
「美桜ちゃんが別の人と一緒に出掛けたからイライラしてるんでしょ?」
なんでお前がそんなこと…
「見てりゃわかるっつーの。他の男に超敵意剥き出しだし、美桜ちゃんだけ明らかに距離近いし。
花火大会の時だって美桜ちゃんを誘うために、私にダブルデート形式提案してきたんでしょ?」
…。
まあ、確かに俺からの提案だった。
佐倉にはあんな言い方したけど、実際は俺から千夏に
気まずいならダブルデートにすればいい
俺が行ってやるって持ちかけたんだ。
まさか佐倉があんなに勉強ができるとは思ってなかったから、テストの勝負で負けたのは誤算だった。
まあうまいこと行けたからよかったけど…
…そうだ。
佐倉を誘うためだった。
なんでかって?
それは…俺にもよくわかってない。
ただ佐倉が…俺と行きたいかなって…
て、何言ってんだ俺。