アブナイ三角関係
「あ、秋斗く…」
腕を引かれ続け、たどり着いたのはさっきの校舎裏。都合よく人通りが少ない。
本日3回目の秋斗くんによる拉致。
「何かあったんでしょ?ちゃんと教えて」
「い、いや別に…」
「これ以上誤魔化すんだったら、無理やり喋りたくさせるけど」
…は!?
え、なに!?
「ほら早く」
え、え、え、ちょっと待って!
秋斗くん!?
秋斗くんが私の腕を引き寄せて近づいてくる。
「言わないと止まらないよ」
なっなっなっ
「佐倉」
〜〜っっ
あーもうっ!
「冬紀くんに!好きって言われて…」
ぴたりと秋斗くんが止まる。
「…なんだかよく分からなくなって…冬紀くんのことは…そういう意味で好きなわけじゃないはずなのに…」
ごにょごにょと言葉を紡ぐ。
「……ど、ドキドキしちゃったから…混乱して逃げてき…!?」
そこまでしか言えなかったのは
秋斗くんが遮ったから。
私の体が抑制されたのだ。
慣れない秋斗くんの熱を直接感じるほど近い、
抱きしめられた状態で。