アブナイ三角関係



「あ、秋斗く…」

腕を引かれ続け、たどり着いたのはさっきの校舎裏。都合よく人通りが少ない。

本日3回目の秋斗くんによる拉致。



「何かあったんでしょ?ちゃんと教えて」

「い、いや別に…」


「これ以上誤魔化すんだったら、無理やり喋りたくさせるけど」

…は!?
え、なに!?


「ほら早く」

え、え、え、ちょっと待って!
秋斗くん!?


秋斗くんが私の腕を引き寄せて近づいてくる。


「言わないと止まらないよ」

なっなっなっ

「佐倉」


〜〜っっ

あーもうっ!



「冬紀くんに!好きって言われて…」

ぴたりと秋斗くんが止まる。


「…なんだかよく分からなくなって…冬紀くんのことは…そういう意味で好きなわけじゃないはずなのに…」

ごにょごにょと言葉を紡ぐ。

「……ど、ドキドキしちゃったから…混乱して逃げてき…!?」


そこまでしか言えなかったのは
秋斗くんが遮ったから。


私の体が抑制されたのだ。

慣れない秋斗くんの熱を直接感じるほど近い、
抱きしめられた状態で。

< 175 / 271 >

この作品をシェア

pagetop