アブナイ三角関係


チーーン…

と、机に顔面から突っ伏して
私と同じ様に疲労感に苛まれ撃沈している人物がもう1人。

私の倍は忙しかったであろう秋斗くんである。



「秋斗くん…無事?」

「疲れた…」


だよね。
あなたすごかったもんね。

自分目当てで来たお客さんの相手もしつつ、何故か私目当てで来たお客さんにも対応していたから。


「二度とやらねぇ…何がアニマルカフェだ…拷問かよ…」

おうふ…


流石に接客時は王子様スタイルだったが、私の前では本性を顕にしている。

複雑な気分だが…シンプルに心を開いてくれたみたいで嬉しい。



「佐倉…」

「はい?」

「悪いけど…田中呼んで」

田中…?
あーはいはい。

「竹田くーん!秋斗くんが呼んでるよー!」


「え?今本当に俺のこと呼んでた?」

竹田くん参上。

「多分間違ってない」


「おー田中…ちょっとこれ女子に返してきて」

ほらー正解だ。

秋斗くんは机に突っ伏したまま自分の衣装を指差した。


「なんで俺が…」

「文句あんのか」

「ないっす」

秋斗くんは盛大なため息をついて目を閉じた。



「なぁ萩原の性格変わった?みんなの前ではいつも通りだったはずだけど」

竹田くんが不思議なものでも見るように秋斗くんを見て言った。


あれま。

なんとまあ、秋斗くん。
竹田くんの前でもオープンなのね。


「秋斗くんが心開いてる証拠だよ」

「えぇ…名前覚えてないのに」

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