アブナイ三角関係


昼休み

私は芽依ちゃんに引かれながらお弁当を爆速で食べ終え、2組の教室へ向かった。



廊下から中を覗くと人で溢れかえっていて騒がしい。

私のお目当ての人物の周りは言わずもがな人だかりができている。

さすが人気者。


さてどう声をかけるか…



しかし悩む必要はなかった。


中を覗いていた私と目が合った人物。

ガタンと席を立った。


「美桜?」



「冬紀くん!」


手招きする。


冬紀くんは珍しく慌ててガタガタと椅子を揺らしながら人だかりを脱出し、こちらへやってきてくれた。



「どうした?俺?」

「そう。あの…今日放課後残っててくれる?話したいことがあるの」


「……わかった」


冬紀くんは少し間を置いてから頷いた。




さあ準備は整った。


あとは私の勇気だけだ。



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