アブナイ三角関係
放課後
掃除を終えて、教室に向かう。
…ドキドキしている。
冬紀くんも秋斗くんもあんな風に気持ちを伝えてくれたけど…
これってえげつないくらい緊張するのね。
昼休み終わりからずっとソワソワしちゃったよ。
謎に歩度が緩くなる。
先に向かう教室は決まっているが…。
……やっぱ怖い。
話せなくなったらどうしよう…
嫌われちゃうかな…
悲しむよね…
怖いな。
やめようかな…
「美桜?」
!
無意識に足を止めて俯いていた私に後ろからかかる声。
「……冬紀くん」
彼は掃除終わりなのか腕まくりをしていて、不思議そうに私を見ている。
「どうした?」
「……」
「美桜?」
「自分の本心を伝えるって…すごく難しいことなんだね」
「……」
「今までみたいに話せなくなったらどうしようって…傷つけたらどうしようって怖くなっちゃって」
「……うん」
「でも…このまま気持ちを伝えずにいたって何も変わらないよね」
「そうだな」
「勇気…いるんだね」
「…美桜なら大丈夫だよ」
………
「私もそう思う」
「はは、なんやねん」
冬紀くんがいつもみたいにツッコんでくれた。